■RPGツクールフェス作品レビュー■
3DSのRPGツクールフェスでダウンロードしたゲームのレビューです(敬称略、ネタバレあり、プレイ順に記載)。
ドロップ率は体感です。実際の確率とは異なる場合があります。
(凡例)
○:良いところ、×:悪いところ、△:気になったところ、・:その他
タイトル:空爆、台風
作者:大桃猫
プレイ時間:約10分
感想:
・サービス終了間近の2023年3月末近くにアップロードされた作品として本作品をダウンロード。
○作成者の体験談として名古屋空襲と伊勢湾台風の話を聞くことができる。
○RPGツクールという媒体で史実の実体験を聞くことができるのが衝撃的だった。
・初めは史実を元にしたフィクションかと思ったけど
開始5秒で(大変失礼な言い方だけど)ツクールに不慣れな感じから本当におばあちゃんが作ったことが分かった。
むしろあのくらいのお歳でここまで作れる人はそうそういないと思う。
○思わぬ形で貴重なお話を聞くことができてとても勉強になった。
攻略:
・選択肢を誤ると話が最初に戻ってしまう。
→実際は選択肢を誤ると命を落としかねない状況だったことを考えると恐ろしい。
・開始直後に女の人からヒントを聞けば選択のミスがなくなる。
タイトル:前田家の故郷
作者:大桃猫
プレイ時間:約10分
感想:
・「空爆、台風」と同じ作者の作品。
○前田家の故郷である安良村についての話が聞ける。
○こちらも大変貴重なお話を聞くことができ、勉強になった。
攻略:
・選択肢によるミスはないため特に攻略の必要はなし。
タイトル:ドラゴンマスター
作者:おるとEX
プレイ時間:約30分
感想:
○さくさくと話が進んでテンポが良い。
○まさかの宇宙編や、突然の地球人のピンチなど超展開で笑った。
○成長のシステムが面白い。
攻略:
・攻撃力を優先的に増やすと楽。
・技は瞬間乱打が便利。
・各大会の準備初日のみセーブを残し、育成をやり直せるようにすると行き詰ることもなくなる。
タイトル:リトルヒーローズ
作者:Plain soft
プレイ時間:約50分
感想:
○どのサンプルゲームも少ない容量で手堅くまとめられている。
○ストーリーも手堅く、安定感あり。
・このゲームのようにおばあちゃんを大事にするといいと思うよ。
攻略:
・序盤の中ボスがやや強かったので経験値稼ぎをする必要あり。
タイトル:そして魔女に会う
作者:kuro
プレイ時間:約4時間(人間値101)
最終ステータス:全員Lv.18
感想:
○主人公が少年だからなのか、全部ひらがなだったことに暫く気が付かなかった。小1でも遊べる。
○Aボタンではなく十字キーで「調べる/会話する」ができるので操作しやすかった。
○主人公の記憶が無いので先が読めずストーリーを楽しめた。
△街中で壷とか調べているときの周りの反応が辛辣すぎて悲しい。
○既に行った町への移動が容易で親切。
・4人中3人が緑髪なのが珍しい。
攻略:
・人間値は街中以外でも上がることがある。特に雪原地帯に入ってすぐの大きめな木を調べるのは見落としやすい。
・リッツのワルツストリームが便利。
・ラストの火力不足はグラビテレンズの多用で押し切る。
タイトル:田舎町の事件簿
作者:ゆわか
プレイ時間:約2時間(エキストラクリア済み)
最終ステータス:全員Lv.21
感想:
○主人公が執事なのが新鮮。主人公の名前も「フレッシュ」で新鮮。
○仲間同士の掛け合いが面白い。キャラクターがしっかりしている。
○少ない容量でもエキストラステージが用意されていて楽しめた。
攻略:
・チケットは最初の町でじゃんけんをする少年に10回勝利すると貰える。
→エキストラクリア後に気が付いて技の使いどころが減ってしまった。
・エキストラのボスと戦う際にフレッシュはなるべく「ぼうぎょ」を選択する。
仲間のHPが下がってきたらいやしの雫や上級霊薬を使用してサポートに徹する。
→主人公は勇者や戦士ではなく「執事」としての振る舞いを意識すると勝てるようになっている。
・盗まれた秘宝は道具屋に行くと取り返せる(シナリオも若干変わる)。
取り返した後、犯人は自警団の本拠地の牢屋にいる。
・イベント終了後に自警団に話しかけると自警団員が本拠地に戻る。
タイトル:AlteredArcs
作者:terunon
プレイ時間:約1時間(全ED達成)
最終ステータス:ダイゴLv.9
感想:
○RPGではなくはまさかのアクションゲーム
○腕前だけでなく頭を使う場面も多い。
○こちらも主人公の記憶が無くどんな世界なのかも把握できていなかったためより先が読みにくくなっていた。
△RPG風の格好で現代の学校を表現するのには違和感があった(当時はDLCが無かったのかも)。
攻略:
・「諦めない」、「試せるところは全て試す」で何とかなる。
・ダッシュしながらの急カーブは早めにかけると上手くいきやすい。
タイトル:99Q(ツクモクエスト)
作者:KADOKAWA
プレイ時間:約2時間(すべて手入れ済み)
最終ステータス:全員Lv.12
感想:
×キャラクターは原画を無理矢理ドット絵にしたみたいで違和感があった。
△台詞のテンポが若干悪く、90年代後半〜00年代前半の深夜アニメのノリが合わなかった。
○道具を手入れするときの豆知識がためになる。
○強化のシステムも面白い。
○お地蔵様からの転移がありがたい。
攻略:
・強化と手入れを怠らなければ特に難しいところは無し。
タイトル:囚われの姫君と狼
作者:黒澤ペンギン
プレイ時間:約24時間(全ED達成)
最終ステータス:
ダイアLv.33、ネコマタLv.32、ルゥLv.26、ゴブリンLv.26、エストLv.25、ルビーLv.21、カラスLv.9、オーガLv.9
感想:
○かなり面白い。時間泥棒。
○少しずつできることを増やしていく感覚が面白い。
→レベルやランクを増やし、材料を増やし、調理レベルを増やし、姫との信頼を築き、より強い装備を買い、より強い特技を習得する、など。
○ゲームバランスも丁度良い。
×シナリオや各種エンディング(特にバッドエンド)が鬼畜すぎて合わなかった。
→全てのエンディングをコンプしても何も変化しないため無理して全部見る必要はない。
×周回がきつい。「強くてニューゲーム」ではなく「○○日目まで戻る」が欲しかった。
攻略:
・一番最初はフィールドマップの杉の木のアイコンに入ると森に入れる(これが分からなくて地味に躓いた)。
・最初はランクを上げるのを優先する。戦闘はできる限り避けて素材を徹底的に集めて売却して装備を充実させる。
・ルビーを連れると戦闘報酬のゴールドが2倍になる。序盤から仲間にしたい。
更にアクセサリのハート(全6色)が各マップで1つずつ入手できる。
・刀は天照以外は買わない(他の仲間が装備できないため)。
・特技はワープ、ヒール、森林浴、ドレインタッチ、リザレクト、一文字斬で十分。
・特に主人公に一番強い武器を持たせて一文字斬で一掃できるようになるとレベルを上げやすい。
・店売りの最強装備は道具屋の部屋で九尾の狐が売っている(条件は不明。ランク8?クリア回数?)
・20回クリアすると(同じエンディングでも可)、最強装備の「無双刀」が手に入る。
→ドラゴン狩りをするなら無双刀を入手してから。
・神龍の卵はグリーンドラゴンから入手できる(2%〜3%)。
・黄金のリンゴはブルードラゴン(2%〜3%)や、勇者(25%?)から入手できる。
・睡眠草は傲慢の城の草花から、誘惑草は色欲明神の草花から入手できる(2%〜3%)。
・睡眠草は5個ではなく10個集めないと調理できない。
・天国エンドは数値の条件を満たしてから更に魅惑のピザを食べさせると発生する。
誘惑草は40個ぐらい必要(選択肢によっては30個でもいける?)。
他のエンディングを35回見ても天国エンドの条件は伏字のままで開放されない。
・盗賊エンドは2回目を見逃した後、盗賊が逃げ出さなければ成功。
画面外に逃げ出した場合は何か条件を満たしていないことになる。愛情値の条件が30「以下」なことに注意。
・盗賊エンドを見てから秘密の部屋でルゥに10000G渡すと、以降は傭兵として100Gで雇えるようになる。
・盗賊エンド後に主人公の名前が「ポチ」に変わるが、姫との会話イベントで「ダイア」などに戻すことができる。
・復活エンドの最初は飢餓エンドと区別がつかないためリセットしないである程度見る必要がある。
・隠しエンド(?)として冒険者エンドがある。29日目に盗賊なしで正面から脱出すれば見られる。
・強くなってからだと敗北系エンドは難易度が高い。
→1回目の盗賊は朝ではなく帰宅後のHPが減った状態で戦うようにする。自分が毒状態だと尚良し。
防具はすべて外す。戦闘中はひたすらMP回復のアイテムを使用する。あとは反撃をしないようにひたすら祈る。
タイトル:姉三人世界を覇す
作者:ヴァルカン
プレイ時間:約6時間
最終ステータス:全員Lv.41(可能性の獣2人、救世主1人)
感想:
○会話のテンポがとても良い。ノリや勢いもあり説明がくどくない。
△ただ、一番最初は主語が足りなくて人物関係が分かりにくかった。
△後半にシリアスなシーンが増えて勢いが失速したのが残念。
○何度も宝箱からアイテムを取れるのが嬉しい。
△匠の鎧の強化が青天井っぽかったので途中でカンストは諦めた。
△チャックラム島を開発してもあまり恩恵が無かった。
○店に入っても暗転しないで画面が即切り替わるのが良かった。
攻略:
・特に難所は無し。ゲームバランスも丁度良かった。
・パーティにヒーラー1人は必須。
タイトル:星の屑のオプターレ
作者:貸ボート十三号
プレイ時間:約8時間
最終ステータス:全員Lv.95(封印開放済み)
感想:
○マップデザインのレベルが非常に高くRPGツクールフェスではない別のソフトで作ったように見えた。
DLCの使用を差し引いても高低・遠近の表現や装飾の配置、「行けないけど見える場所」の作り込みなどの拘りを感じた。
○オープニングからいきなり魅せて掴みが完璧だった。
○「聖痕」を軸としたシステムと世界観が上手く表現されていて説明もスムーズで分かりやすい。
○王道かつ熱いストーリーでアネット達の成長が描かれていた。演出も丁寧。
○冥界などで退場したキャラを再登場させる手法は悲しさを半減させるけど
その代わりにしっかりと風呂敷を畳んで主人公やプレーヤーの気持ちを整理するのに有効なことが分かった。
○台詞がないのにロボットのミツテルくんの別れが涙腺にきた。本作で一番泣ける。
○エンディング後のキャラクター設定資料館も充実。
開発者ではなく主人公たちが説明することにより雰囲気を壊さず舞台裏を知ることができた。
・十二恥徒や封印はパロディ全開。やりたいことを全力でやり切った感あり。知らない人は置いてけぼりになりそう。
○キャラクターも良く、どのキャラも活き活きとしている。
12人の聖痕の聖騎士も設定が格好良いし、味方のおっさんも全員良い。
△ずっとアネットが主人公ならオープニングからアネットが加入した方が良かったと思う。
×前半はゲドが足を引っ張りまくっているのに全く処罰がなくて違和感しかなかった。
○次に進むところをアイテムが教えてくれるのでとても親切。
△「VS」のマークは分かりやすいけど雰囲気を壊しているかも。
○隠れ里ルエンデのBGMにRPGツクール2000の名曲が使われていて街の雰囲気と凄く合っていた。
攻略:
・アイテムは目に見えない場所にもある。
特にタロス遺跡の最後の1個が難所だった(柱と柱の間の何もないところ)。
・アイテムの場所が分からなければAボタンを連打して歩きまくるしかない。
・能力ポイントは誰か1人に集中させてもクリアできる。
・魔法は消費MPが少ないものを強化させればMPが枯渇しにくくなる。
・血と汗と涙の結晶はラスボスとの戦闘で手に入りエンディング内で使用している。
タイトル:ホワイトアウト
作者:うっかりさん
プレイ時間:約4時間(総合スコア10830)
最終ステータス:
シャムナLv.18、ニコLv.17、ピッテLv.24、トリガーLv.25
感想:
○ストーリーが良く、先が予想しにくく驚きの展開が多かった。
○ルリーロがシャムナ以外から見えていないことを、伏線を見せつつも中盤までバラさなかったのが上手い。
○ラストの「真字の鉛筆」を使ってこれまでの軌跡をなぞる演出とルリーロがいたことを一気に思い出す演出がお気に入り。
○アルスタリア王国の絵から女王の存在が抹消されていたのはちょっとしたホラーでなかなか怖い。
ラスボスを倒した後にステータス画面も「■」だらけになるのも少し怖かった。
この怖さは映像や書籍では表現できないと思う。
△ラスボスの動機が微妙で小物感がある。
△RPGツクールで落ちゲーを作ったのは面白いけど、戦闘自体は普通。
もう少し敵の攻撃にバリエーションがあると良かったかも。
攻略:
・特に難所は無し。3連鎖を安定して出せるようになると楽。
タイトル:残酷で優しいこの世界で
作者:KANON
プレイ時間:8時間(全ED、全クエスト達成)
最終ステータス:
ウォルガスLv.44、イゾルLv.41、マルカブーラLv.41、セフィーヌLv.39、アズリアLv.36、デストロイオメガLv.35、ジーナスLv.20、リンベルLv.18
感想:
○主人公があまり使われない盗賊っぽいキャラクターなのが新鮮。
○「デデーン」が良い。すごく良い。
○随所にギャグが入っていて楽しい。イベントを進めると「次はどんなギャグが始まるんだろう」と期待感が高まる。
○空飛ぶ乗り物のフォルムやパーティ編成画面のトロッコ(牛)は声を出して笑った。
○他の作品をやって「!」マークが出ても「デデーン」が鳴らないと物足りなくなってしまった。
△ボス戦の度に「セーブしましたか?」と聞くぐらいならボス戦で負けてもやり直せるようにすれば良いと思う。
○ミニゲームもバラエティに富んで面白い。
×ただし、音ゲーはタイミングがシビアすぎてクリアまでが苦行だった。
中央の壁さえなければ移動でひっかかることもなくもっと楽しめた筈。
攻略:
・「1281612168」は「12、8、16、12、16、8」で区切る。石の数を意味している。
→よく見ると1マスに1つの岩が設置されている訳ではなく1マスに大きさの異なる4つの石が置いてある。
そのため左は12個、上は8個、右は16個になる。
→「数字は1桁で区切るとは限らない」と「岩の数に関連がある」は分かっていても
目が悪くて1マスが1つの岩に見えてしまい自力で解けなかった。
タイトル:アビスシーカー
作者:ka.ma.yu
プレイ時間:約7時間半(全クエスト、全秘宝コンプ)
最終ステータス:全員Lv.40
感想:
○いきなり序盤のリーンのシナリオから印象に残る。
・リーンの羽はナナシの冒険者としての原点なんだと思う。
○ホネ男さんの嘘が下衆すぎてひく。でもキャラクターは面白い。骸骨なのに表情が豊か。
○記憶喪失系で「初めから記憶が殆ど無かった」というオチについて、「何もない夢の世界」で表現したところが良かった。
○後半から動物と会話ができるのが楽しい。
×暴力系ヒロイン、というかげんこつ表現が苦手。
○破壊された床が後でちゃんと補修されていて芸が細かい。
攻略:
・特に難所なし。隅々まで捜索すればコンプ可能。
タイトル:NEVER____
作者:ミドリム氏
プレイ時間:約13時間(全ED達成)
最終ステータス:
Alice Lv.25、Crony Lv.23、Gleam Lv.24、Blind Lv.23
感想:
○本当に怖い。
○3DSのRPGツクールなのでまだプレーヤーに危害が及ばない安心感はあったけどそれでも怖かった。
○追いかけられるのも怖いし、バッドエンドで激昂したアトラスの赤目も怖い。
○不思議で不条理な世界が面白い。マスをつかったドット絵も良い感じ。
△ただ、話が進むにつれて話が通じる人が増えて不条理感が薄くなってしまった。
△思わせぶりな表現を繰り返した結果、プレーヤーの想像が膨らみすぎて
無難な着地に安堵しつつも物足りなさを感じてしまった。
○でもやっぱり救いのある終わり方で良かったと思う。
△2周してようやくシナリオを理解した。
×この作品に限らず、学校内の脅迫、名誉棄損、器物損壊や家庭内暴力をシナリオに取り入れて
インパクトを強くさせるやり方は良くないと思う。
警察、児童相談所など、もう少しとるべき対策を明示しても良かったのでは?
○唐突な相撲対決で噴いた。
○予めシークレットEDへの条件を詳しく明示していて親切。
△ブラインドの毒舌がきつてくどい。
△選択の余地が無いことが多い。クローニーに引き返せと言われて引き返したのに何も起こらない。
→作中のセリフより意図的にそのように作っているように思われる。
○BGMやBPM変更の使い方が上手い。場面場面によく合っている。
攻略:
・終盤の夕日が見える場所はクローニーの記憶の中の奥にある。
・記憶の順番を巡るのは面倒臭がらずにメモをとるとやりやすい。
(すべての作品を通しての感想)
・合計プレイ時間は81時間。思った以上にやり込んでいた。
△ボス戦やラストバトルで経験値が0なのは何か損した気分になる。
△シンボルエンカウントはすべて逃げられないのが気になった。
○ヒーラーの素早さが高めに設定されているため戦術がとりやすかった。
△ラストバトルのセリフは両者くどくなりがち。もう少しテキストを減らせると思う。
△宿屋のジングルは不要。テンポが悪くなる。
○キャラクターの顔グラフィックから人物像がイメージできるため
どうしても配役が固定化されてしまいがち。
それでもそれぞれの作品のキャラが別人に見えるくらいに脚本がしっかりしていた。
−優しい盗賊風の人(2人中2人)
−退場する兄(2人中2人)
−脳筋なポニテ剣士(3人中3人)
−黒幕な男魔導士(5人中3人)
・記憶喪失はRPGとの相性が良いけどシナリオに自信がないと難しそう。
○無料でここまで遊べるのが凄すぎる。
・2023年3月末ではなく、もっと早くダウンロードすれば良かった。
→でももっと早くDLしていたらツクールの沼に沈んでいたかもしれない。
○ターン制コマンドバトルのRPGは今やっても面白い。